老後の生き方
現代、高齢化社会を叫ばれて久しい。少し都心を外れた郊外には、若い世代が少なく、街行く人の多くが中年層か高齢者である。
私たちは、今これまで日本が、いや世界が経験したことのない社会を迎えているのである。
金融ショックにより、世界の経済が混乱し、100年に一度の大不況と叫ばれる昨今。今私たちには何が求められているのであろうか。ただひたすら経済の成長を求め、生産と消費を繰り返す社会は、限界に着ている。戦後のような、物への欲求もなくなりつつある。生活は満たされ、食べるものに困ることもない。
豊かになったはずの、私たちの生活。しかし気がつけば、労働時間が増えている。これまでの貧しい時代は、8時ごろに仕事は終わり、家族との時間を持つことができた。しかし、今では圧倒的に労働時間が増え、平日に家族との時間を持つという常識を、社会全体が忘却してしまっている。
仕事という名の下には、家族や個人の生活を犠牲にすることを厭わない、そんな風潮が長い間蔓延している。さて、そんな仕事人間が迎えた、定年退職。
この不景気の中、退職金は当初の予定よりも少ない。いや、それどころか、世間で騒がれている退職金がそれ程多くもらえるような、大手企業に勤めている絶対数などたかが知れているのだ。
さて、老後何をして過ごすのか、趣味もやってこなかった。仕事以外の人間関係なんて、ほとんどない。一体、このありあまる時間をどんな風に過ごしたらいいのか。これまでの時間の流れと大きく変わる。
それにあと10年もすれば、介護が必要になるような老後が待っている。一体、自分の世話をしてくれる人がいるのだろうか。幸せって何だろう。介護付き有料老人ホームのパンフレットを見ながらぼーっとそんなことを考えてみる。